2014年1月3日金曜日

[文書での旅] 売春宿の門番

映画を見たり、お話を読むのも空想の世界への旅だから「文書での旅」というラベルを作りました。

この第一回はタルムード (モーセが伝えたもう一つの律法とされる「口伝律法」を収めた文書群) に書かれているお話です。

タルムード以外にも「寓話セラピー―目からウロコの51話」にのっています。とてもいい本です、おすすめです。


売春宿の門番

ある小さな村に、売春宿がありました。その売春宿の門番の仕事は誰もが遣りたがらないほど給料の少ないお仕事でした。その理由で、門番の仕事は家族代々同じ家系が努めていました。

門番の人は読み書きも出来ず、ただ門の前に立っているだけでした。

しかし、ある日、売春宿の持ち主が亡くなり、その息子があとを継ぎました。新しいオーナーは場所をもっとよくしようと、色々と支持をしました。門番には、お客さんたちの感想を聞き、それを毎週紙に書き、伝えるようにといいました。しかし、門番は読み書きが出来ません。とても困りました。オーナーは読み書きを学ぶ時間などくれません。仕方なく門番は仕事をやめ、退職金を持って家に帰ります。

門番は売春宿のベッドを何度か直したことがあるので、自分の大工としての腕には自身が少しありました。その才能を生かして、新しい仕事を見つけようと決めました。しかし、大工の仕事にも器具が必用です。何も持っていない門番は器具を買いに行くために旅に出ました。

器具の売っている一番近い町は片道ロバで2日間かかります。往復で4日。長い旅です。

4日たってやっと帰ってくると、となりに住んでいる人が玄能を貸してほしいと、遣ってきました。元門番は仕事用の道具は貸せないと断わろうとしたが、どうしても必要だと、となりに住んでいる人は聞きません。そして、となりに住んでいる人は玄能を、元の値段に4日分のた旅の料金もたして、買うといいました。

とてもいいお話なので、元門番は玄能を売りました。

「4日かけてお買い物に行く時間がないんですよ。」と、となりに住んでいる人が言っていたので、元門番はみんなのために買出しに行くことにしました。村の人は大喜びです。多めにお金を出してでも、4日分の時間が稼げるのならと、門番にたのんで、器具を買ってもらいます。

そして、元門番は大きいお店のオーナーとなりました。色々な器具を集めて、売って。大もうけです。何年かたって、大金持ちになりました。とても人のいい元門番は自分のお金で村に学校を建てました。村の村長さんは大喜びです。村も栄え、人々もとても幸せです。

元門番に村長さんは「村の恩人」としての詔書を与えました。そして、それをちゃんとうけっとたと言う証拠にサインをと・・・しかし元門番はまだ読み書きが出来ません。

「えー!!! あなたはこの村の救い主ですよ !? もし読み書きが出来ていたら、もっとすごい人になっていたのでは・・・!??」と村長さんは驚きました。

「それは違いますよ、もし読み書きが出来ていれば、私は売春宿の門番のままでしたよ。」 と、元門番は笑いながら答えました。

とても深いお話です。
色々と考えたくなります。

+1です ^^

0 件のコメント:

コメントを投稿